国控訴で原告団「生きる道閉ざすな」 石綿訴訟(産経新聞)
国の不作為責任を認めて約4億3500万円の損害賠償を命じた大阪地裁の泉南アスベスト(石綿)訴訟判決に対し、政府が1日夜、控訴を決めたことを受け、原告や弁護団からは怒りと失望の声が上がった。先月29日の原告団総会で、原告の高齢などを考慮し、国が控訴しなければ原告も控訴しない方針を決めたばかり。弁護団は「原告の期待を裏切るもので絶対に容認できない」と控訴を表明した。
平成元年、悪性胸膜中皮腫で夫を亡くした大阪府泉南市の湖山幸子さん(68)は「判決でやっと光が当たったと思ったのに腹が立つ。私たちの生きる道を閉ざさないでほしい」。びまん性胸膜肥厚に苦しむ同市の西村東子さん(71)は「人工呼吸器をつけながら頑張ってきたのに認めてもらえず残念。まだ闘わなければいけないのかと思うと辛い」と話した。
一方、呼吸器疾患との因果関係を認められなかった阪南市の岡田陽子さん(53)は「自分のことはさておき、国が控訴している間に高齢の原告が亡くなれば、どうやってつぐなってくれるのか」と憤った。
弁護団の八木倫夫弁護士は「司法判断を踏みにじり、いたずらに被害者の苦しみを引き延ばして、国民の命と健康を守る責務を放棄した」と指弾。「原告らの命あるうちの救済を実現するため、一刻も早い政治による解決を求めて全力を尽くす」と述べた。
5月19日の判決は、アスベストによる健康被害で国の責任を初めて認め、原告の患者23人(遺族を含め26人)に損害賠償を命じた。
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一方、呼吸器疾患との因果関係を認められなかった阪南市の岡田陽子さん(53)は「自分のことはさておき、国が控訴している間に高齢の原告が亡くなれば、どうやってつぐなってくれるのか」と憤った。
弁護団の八木倫夫弁護士は「司法判断を踏みにじり、いたずらに被害者の苦しみを引き延ばして、国民の命と健康を守る責務を放棄した」と指弾。「原告らの命あるうちの救済を実現するため、一刻も早い政治による解決を求めて全力を尽くす」と述べた。
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2010-06-07 16:21
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